イノカシラフラスコモ

イノカシラフラスコモ
イノカシラフラスコモ
イノカシラフラスコモ 雌株
雌株 2011年3月20日 撮影:名取史織
イノカシラフラスコモ 雌株の生卵器
雌株の生卵器 2014年5月19日 撮影:名取史織

イノカシラフラスコモ(Nitella mirabilis var. inokasiraensis)シャジクモ科

 

  イノカシラフラスコモは、1957年に東京の「井の頭公園」を源流とする神田川の上流部で発見された車軸藻(しゃじくも)という水草で、日本固有の植物です。長さは20~30センチになりますが、茎の直径は0.5~0.7ミリと大変細く、雄株と雌株に分かれているのも特徴です。車軸藻の仲間は、陸上の植物の原種ではないかと考えられています。

 現在、全国で育成が確認されているのは、井の頭公園とじゅん菜池及び2019年に千葉県で新たに発見された産地(未公開)の3か所のみです。このため環境省レッドデータブックに、最も絶滅が危惧される「絶滅危惧種Ⅰ類」として掲載されています。

 じゅん菜池緑地のイノカシラフラスコモは「蓴菜池にジュンサイを残そう市民の会」がジュンサイを育成している池で、同会が調査を依頼した当時の東京都立大学名誉教授の加崎英男氏(イノカシラフラスコモの発見者1917-2007年)により1995年に確認されました。

 市ではイノカシラフラスコモが絶滅することのないよう、保全を行っています。(市川市より)

詳細:市川市公式Webサイト 自然環境 絶滅危惧種イノカシラフラスコモの保護保全 | 市川市公式Webサイト (ichikawa.lg.jp)

 

 イノカシラフラスコモはシャジクモ科に属し、シャジクモとちがって、ひとつの節から茎葉が輪生したものがさらに分枝する特徴をもっているフラスコモグループであり、そのフラスコモの中でも唯一雌雄異株の種である。雌株には螺旋模様の卵形の生卵器が、雄株には球状の造精器がつくられる。